放送大学への通学

通信制の大学院を修了した話をすると、決まって「学校に通わなくてよいの?」と聞かれます。折角なので、放送大学の情報を残しておきます。

放送大学には、大学の校舎に代わる施設として、全国に学習センター・サテライトスペースというものがあります(各都道府県に1箇所以上)。通学する必要があるのは、主に以下のケースです。

  1. 入学試験(修士全科生のみ)
  2. 単位認定試験
  3. スクーリング(面接授業)
  4. ゼミ(学部卒業研究、修士ゼミ)
  5. 手続き(学割申請など)


1.入学試験(修士全科生のみ)
修士号取得をめざす修士全科生のみ入学試験があります。1次試験は、自分が指定した学習センターでペーパーテストを受験し、合格すると2次試験に進みます。2次試験は、千葉県幕張にある放送大学の本部で実施されます。1次・2次ともに実施は土日だったと思います(詳しくは、入学案内を見てください)。学部や修士選科生は、書類選考はありますが、すべて郵送で行えます。


2.単位認定試験
放送大学の学部も大学院も、放送授業による履修科目で単位を取得するためには、学習センターで半年ごとに試験を受ける必要があります。ちなみに、その中間あたりに課題が出されて、選択問題または数百から1,000文字程度の論述問題を提出する必要があります。


3.スクーリング(面接授業)
スクーリングは、大学院にはありませんが、学部の卒業には20単位が必須要件です。1単位取得に、1時間25分の授業を8回受講しなければなりません(これを計20回)。授業によっては、試験・レポートも実施されるようです。わたしの場合は、学部編入高専の単位がすべて認められたのでスクーリングは免除されました。


4.ゼミ(学部卒業研究、修士ゼミ)
学部は卒業研究を選択した場合のみ、修士全科生は必須です。開催される頻度は、ゼミによって異なりますが、月1回程度が多いようです。特に、理系の若い先生は、ウェブによる遠隔の研究指導も対応してくれる場合があります。通学が難しい場合には、入学の際に希望を出しておくとよいでしょう。共通は入学説明・ゼミの顔合わせが行われる入学オリエンテーションと口頭試問の2回です。入学オリエンテーションの出席は必須ではありませんが、担当教員と会って研究指導して頂く初めてのチャンスなので、よほどの事情が無い限り、みなさん参加されているようでした。


5.手続き(学割申請など)
成績照会や科目登録申請は、ウェブの教務情報システムにより、自宅に居ながら手続きが可能です。これはかなり助けられました。ただし、JRの学割申請などの一部手続きは、学習センター窓口に直接お願いしなければなりませんでした(今もそうなのかな?)


「学校に通わなくてよいの?」と問われたら、「そんなことはなくって。単位認定試験やゼミがあったので、学習センターや千葉の本部に通ったよ」と答えています。

悪意は無くても、なんとなく含みとして「自宅でラクして修士とれるの?」という問いの場合もあります。通学の大学・大学院に比べれば、圧倒的に学習センターに通う回数は少ないですが、自分にとって自宅で進めることは、まったくラクでは無かったです。研究を進める中で、常に不安と孤独との戦いがありました。やはり、通学で研究していた方が、先生や学生から直ぐにフィードバックをもらえる点が安心でした。大変さをアピールする気は毛頭無いので、このあたりの話は、通信制の大学院を出た人同士で共有できればよいです(笑)